渓流フィッシングにおいて、最も大切にしていることは魚との距離感です。頻繁に通うフィールドの特性上、川幅は狭く、水がクリアでかつ、水深が浅いエリアが多いため、たださえ警戒心の強いヤマメやイワナの性格がより一層強くあらわれます。そのような魚たちを相手にするためには、魚が私を見つけるよりも先に、私が魚を見つけるための「眼」が必要となります。その「眼」となる存在こそがRARTSです。
ときには、魚が岩陰や流れの瀬に隠れているため、魚の姿が確認できない状況にも遭遇します。魚が見えないからといって、アングラーが迂闊に潜んでいる魚との距離を詰めてしまうと、一瞬にしてその魚は逃げてしまいます。1歩進むのか、1キャストするのか、その重要な状況判断は、視界に映し出されるポイントから魚が潜んでいるイメージができるかどうかに委ねられます。RARTSを通してポイントを確実に捉えて、正確なアプローチをすることが1匹の美しい魚との出会いに結び付きます。
私の通う渓流域では、軸となるレンズカラーはアンバーブラウンとなります。天候や光量の変化に幅広く対応し、明るい視界を保ち続けてくれます。さらに、視界全体の中の魚や岩、瀬などの対象物を正確に把握できる立体感を作り出してくれるので正確な状況判断に導いてくれます。そして、アンバーブラウンを軸に川底の白が強い場合や色調変化を抑え、視界を自然のまま捉えたい場合はグラファイトグレー、曇天や雨天、もしくは木々に囲まれ光量が少なくなるような状況下ではスティングレイとトリードベンドを使い分けていきます。最初の1本を作るなら間違いなくアンバーブラウンがベストです。
レンズコーティングは、渓流域の様な木々に囲まれた山の中は湿度も高くなりやすく、さらに自分の足を使って魚を探し出すため、自分の身体から発せられる汗や蒸気でレンズの両面が曇りやすくなる環境下となります。それこそまさに、アメイジングコーティングの防曇性能が最大限に発揮される環境となります。実際、アメイジングコーティングを施すことによってレンズが曇るという煩わしさが激減し、魚との出会いを求めて釣りに集中できるので、とても大きなアドバンテージを実感しています。
髙橋正樹(たかはしまさき)
カッコイイ車でカッコイイボート、引っ張ろうぜ!のフレーズと共にボートと車の販売をおこなう(株)トルシープの代表を務める。オールジャンルの釣りだけでなく、アウトドアにも精通する。ボートや魚、カッコイイモノを求めて世界を飛び回る遊びのエキスパート。